シュナイダーエレクトリックが公開した電力需給調整の実証事業の指令室=12日、東京都港区【拡大】
仏電機大手シュナイダーエレクトリックは12日、東京電力と共同で実施する電力需給調整(デマンドレスポンス)の実証事業の指令室「ネットワーク・オペレーション・センター」を公開した。
東電と15社前後の協力企業を仲介し、今月から来年2月にかけて、最大5万キロワット分の電力消費の抑制を目指す。うまくいけば、日本のデマンドレスポンス市場に参入する考えだ。原発の長期運転停止が続き、今後も電力需給の逼迫(ひっぱく)が想定される日本で商機を狙う。
同センターは東京都港区にある日本法人オフィス内に設置。気象や電力需給予想、企業の電力需要の状況などをモニターで把握できる。東電からの要請を受けて、メールや電話などを通じて、自動車部品メーカーや製紙業者といった協力企業に電力の消費抑制を指示する。
実証するのは、消費抑制した電力を取引する「ネガワット取引」と呼ばれるビジネスモデル。事前の綿密な打ち合わせを経て、消費抑制ができる時間帯や電力量を契約で決め、電力会社は企業に報奨金を払うという仕組み。フランスでの報奨金の相場は、企業が支払った電気代の3~10%程度という。
シュナイダーの梅村周市エナジーソリューション事業開発室ディレクターは、日本のデマンドレスポンス市場の規模は、原発15基分の1500万キロワット分にも上ると試算する。
今後、原発が再稼働して電力供給力に余裕が生まれた場合でも、「発電所には運転、管理、燃料コストがかかる。デマンドレスポンスが活躍する場は十分にある」と指摘する。
日本のデマンドレスポンス市場には、米国の需給調整サービス最大手のエナノックも今年1月に丸紅と合弁会社を設立し、本格参入に向け始動している。シュナイダーと同様、東電と組んだ別の実証事業に参加。5年後をめどに、原発1基分の100万キロワット分の仲介を目指す。