懸命に働くけなげな姿に、「『来年卒業したら来ていいよ』って言ってあげてください」との声が従業員から上がった。こうした声にも後押しされ、2人の雇用を決めた。これが障害者雇用の始まりだった。
現在稼働している工場は、川崎工場(川崎市高津区)と美唄工場(北海道美唄市)の2カ所。2工場で、重度の知的障害を持つ従業員26人を含む知的障害者59人が働いている。
ダストレスチョークは、炭酸カルシウムや糊をミキサーで混ぜ合わせて棒状に伸ばし、フォークで余計な部分を切り離すなどして成形。乾燥炉で乾かし、コーティングを施して梱包(こんぽう)する。障害者らは首尾良く、それぞれの役割をこなしていく。
「その人の理解力や能力に合わせて段取りをつけることが大事」と、大山会長は力を込める。「そうすれば知的障害者は安心して仕事ができる。まして、褒めればうれしくなってより一生懸命やってくれる」。
こうした大山会長の信念は、生産ラインの至る所に生きている。
◆“皆働社会”を実現
例えば、計量の方法だ。材料ごとに必要な量の重りをあらかじめ用意。さらに、重りと、材料を保管する缶を同じ色に塗った。赤い缶に入った材料を量る際は、赤い色の重りをはかりに載せる。こうして、色の識別ができれば計量が可能になった。