新たな顧客層の獲得に手応えをみせるのが米音響機器メーカーのBOSE(ボーズ)だ。同社は5月、「ミント」など8色をそろえた高級ヘッドホン「サウンドトゥルー ヘッドホン」(標準価格1万8000円)を発売した。同社製品はもともとシンプルなデザインが多く、「30代以降の中高年層」が主力ユーザーだったが、今回の商品では「若者や女性から好評」(日本法人の広報担当者)という。
ヤマハも今年に入り、ヘッドホンのブランド「HPHシリーズ」に新製品を投入。ファッション性と携帯性を高めた「M82」(想定価格1万円前後)と、軽量化した「PRO400」(想定価格3万1000円前後)を発売した。
ヘッドホン市場は、技術面やコスト面などで参入障壁が低く、「ビーツ」など設立間もない企業でも人気製品を発売できるケースも多い。そのため、競争が激しさを増しており、市場シェアを得るには「自社の強みを活用し、購買意欲につなげることが重要」(畑光史・パイオニアプロSV事業部マーケティング課長)という。一層の差別化戦略が求められそうだ。(宮田翼)