■「選手は社員」勉強は当たり前
三井住友海上火災保険の女子柔道部も女子陸上部と同様に「選手たちは、まず社員」という考え方が徹底している。柔道部の選手は現在10人だが、いずれも総務部、営業推進部、損害サポート業務部などに所属し、週4日の午前中は通常の業務にあたる。午後から、東京都世田谷区北烏山にある「世田谷道場」で練習やトレーニングに励む。
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◆専門教師呼び英会話
勤務がない日は練習に専念することができるが、それだけというわけではない。保険会社の社員として保険の基礎的な講義を受けるほか、競技に役立つ運動生理学などの勉強もする。毎週水曜日には専門教師を呼んで英会話も学ぶ。さらに一般教養や漢字のテストもある。
女子柔道部を率いるのは電気通信大学名誉教授でもある柳澤久監督。1989年の創部以来、監督を務める。「社員はまず企業人であり、社会人だから勉強は当たり前のこと。英会話は、国際試合においていろいろと役に立つから」というのが柳澤監督の基本的な考えだ。
柳澤監督は、まだ公開競技だった1988年のソウル五輪で全日本女子柔道の監督、96年のアトランタ五輪では副団長を務めるなど、日本女子柔道界の指導者的存在だ。だが、草創期のころはなんとか表舞台にと奔走し、多くの企業に支援を依頼したが、名乗りを上げてくれるところはどこもなかったという。
ちょうどこのころ、住友海上の当時の社長が「スポーツ活動を始めよう。これからマスコミも注目するような新しい競技がいい。女性の時代だから、女性のスポーツを推薦してほしい」という方針が打ち出され、いくつもあった候補の中から女子柔道に白羽の矢をたて、柳澤監督を招請した。