景気回復により企業の採用意欲が高まり、人手不足が鮮明になってきた。求人倍率が改善して売り手市場となり、就職希望者はますます大手志向を強めている。そのしわ寄せを受けているのが、知名度に劣る中小企業。来春卒業予定者の採用にも苦戦しており、採用難に相変わらず悩んでいる。中小企業経営者の焦りは募るばかりだが、中小企業庁などが中小の人材確保のために取り組むプロジェクトに注目、活路を見いだそうとしている。
「5人の学生に内々定を出したが、全員が辞退した」(医療福祉関連の機器レンタル・販売業)、「内々定を出したが、学生が承諾してくれない。今後、辞退となる可能性を危惧しており、不安な状態が続いている」(情報通信業)。
リーマン・ショック後の「氷河期」から様変わりした今年の就職戦線。景気回復で採用者数を増やす大手への就職を目指す学生が増え、知名度が低い中小は人材確保にめどが立たず、苦戦を強いられている。
説明会に4人
ただ「内々定を出せるだけでもうらやましい」との声も聞こえてくる。情報通信会社(東京都渋谷区)の人事担当者は「コストをかけて求人広告を出したが、エントリー数は昨年の同時期に比べ半減。採用の見通しが立たない」と頭を抱える。業容拡大に手応えを感じ、新卒採用に意欲を示すが、このままでは就活生との最初の接点となる説明の機会すら生かせない。