今回の4年間は、11年から13年までの3年間で計3622億円になっており、前回の収入を上回ることは間違いない。そして、この莫大(ばくだい)な収入は、世界中にサッカーというスポーツを普及し、その環境を向上させるために役立てられている一方で、世界のサッカー界のトップであるFIFA会長の座を揺るぎないものにするための力にもなっている。
FIFA第8代会長であるゼップ・ブラッター氏は、98年に、それまで24年間もの長き間、頂点に君臨し続けていたジョアン・アベランジェ氏の直系とも言われる後継者として事務総長から会長の座に登りつめた。スイス出身ではあるが、彼の支持母体は、アフリカや北中米・カリブ海、南米など欧州以外の加盟協会が中心である。それが、彼の政治力の源とも言える。ブラッター氏が会長就任当時のFIFAの蓄財は約40億円強。それが、13年には1432億円にまで増加している。02年日韓大会からは、テレビ放送権販売を入札方式に変え、98年フランス大会の10倍にまでその額を急騰させた。07年からは、スポンサーシップ方式を大幅に改革。トップパートナーの社数を限定し、契約金を一気に引き上げた。グローバル企業の多角経営に呼応した新しいシステムの導入である。
こうして得たマーケティング関連収入、そしてその収入の拡大による膨大な蓄財は、彼の支持母体の国々にも大きく貢献している。ブラッター氏が会長就任直後の99年に創設した「ゴール・プログラム」は、世界各国のサッカーの普及や環境整備のための資金供与であり、会長1期目の4年間だけでも117協会に約115億円を分配している。10年大会開催国決定時から採用した大陸巡回方式によって、10年は南アフリカでの開催となり、アフリカ大陸初の開催を実現した。