キヤノン、脱カメラ依存を模索 得意の光学で「3D」技術育成 (3/4ページ)

2014.8.9 07:00

キヤノンの売上高と研究開発費

キヤノンの売上高と研究開発費【拡大】

 キヤノンもコンパクト型とレンズ交換式を合わせた販売台数が14年12月期には1650万台となり、10年12月期の2690万台から大幅に減ると見込む。余力があるうちに、新規事業を稼げる分野にすることが欠かせない。

 キヤノンの技術力、ものづくりの力を支えてきたのは研究開発への積極的な投資だ。近年は年間3000億円の水準を維持し、13年12月期には約3063億円を投じた。14年3月期の研究開発費が約745億円のニコン、約667億円のオリンパスを大きく引き離す。キヤノンは既存事業だけでなく、新規事業の種を育てるために惜しみなく資金を投じている。

 ロボットのアームを高速で制御する「スーパーマシンビジョン」事業もその一つ。レンズの高性能・超小型化やセンサーの低消費電力・高速読み出し技術などを駆使し、部品などを立体的に高精度に認識できる次世代の「ロボットの目」だ。

 1月に専門組織を立ち上げ、売り込み攻勢をかけているのがMRシステム。目の前の風景と3Dのコンピューターグラフィックス(CG)画像を重ね、ヘッドマウントディスプレーに映し出す仕組みで、設計者や開発者が利用すれば自動車などの仮想モックアップを「実寸大の感覚」で確認できるという。

「積み上げ額はできれば5000億円規模にしたい」と意欲

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