【論風】経営共創基盤CEO・冨山和彦 中小企業政策、緩やかな退出促進型に (1/3ページ)

2014.8.14 05:00

 ■人件費倒産増で日本変わる

 求人難や人件費の急騰を原因に倒産・廃業する企業が増えてきている。背景には、アベノミクスの第一、第二の矢による内需喚起と労働力人口の減少によって引き起こされた人材獲得競争の激化が存在する(詳しくは近著「なぜローカル経済から日本は甦(よみがえ)るのか」参照)。

 私たちの岩手県や福島県のバス会社では、7年前から、リーマン・ショックの時でさえ、慢性的な人手不足に大変に苦労してきた。これがアベノミクスの好調と団塊世代の大量退職をきっかけに全国化した。特に、内需の中心であるサービス産業(国内総生産《GDP》の7割、雇用の8割)における人手不足が日本経済に与える影響は大きい。

 ◆労働の生産性向上へ

 一部の報道では、人件費倒産の増加がアベノミクスの足を引っ張りかねないと危惧する。しかし、果たして本当にそうであろうか。むしろアベノミクスによる経済成長を加速するチャンスであり、この人件費倒産こそがローカル・アベノミクスの成功要因ではないか。

 なぜなら、小売、飲食、医療・介護・保育、宿泊、地域交通、物流など、典型的なサービス産業は、労働集約度が高く、このセクターの経済成長は、圧倒的に労働者数と労働生産性に規定される。労働者数については、女性とシニア世代の就労率アップは喫緊の課題である。しかし、それだけでは減少する生産年齢人口を補うには足りない。したがって、労働生産性を向上させることが何よりも優先されるべきである。

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