【遊技産業特集】全日本遊技事業協同組合連合会 理事長・阿部恭久氏 (2/5ページ)

2014.8.16 05:00

 --設置する機種の画一化が顧客の選択肢の幅を狭めてしまった。このほかに、どのような理由が挙げられるか

 現行遊技機の在り方そのものに原因がある。パチンコをリタイヤした人に“止めた理由”を聞くと、多くの人が「回らない、当たらない」という。パチンコというゲームの肝は、当たる経験にあると私は考えている。しかしながら現在、市場に設置されている遊技機は、リーチばかりかかるけどなかなか当たらない。ノーマルリーチでも当たるというのではなく、長いリーチで引っ張るだけ引っ張られて当たらない。膨らんだ期待感を何度も裏切るゲーム性が楽しい遊技に繋がるはずはない。だからこそ、機械のあり方、遊技環境の在り方を変えていきたいと思っている。

 --そのためにどのような施策を考えているのか

 まずは現行遊技機の見直しが必要。さきほど述べたように、デジタルが回って手軽に当たりの経験が楽しめる遊技機を市場に投入し、多くのお客様に喜ばれる、誰でも参加できる環境づくりが大事だと思う。この実現に向け、すでに遊技機メーカーと話し合いを始めているが、もっと意見交換し、意思疎通を図りながら、環境改善の速度と充実を図りたい。さらに「こういう機械を作って欲しい」と意見を投げるだけではなく、市場ニーズを反映させた要望を適宜運用する体制を作り、お客様が安心して楽しめる遊技環境を維持していく必要がある。また、貸玉料金4円でのパチンコや20円のパチスロでも気軽に遊べる環境を整えていくことが、ファン人口を復活させるためのベースになると思われる。もう少し手軽にパチンコ店に行くことができる、そして若年期にパチンコに触れてもらえる環境を取り戻すことが重要だ。

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