◆1フレーム6時間
レンダリングでは数百台のマシンを用いたという。レンダリングにかかる時間は、鈴木氏によれば「前回の『friends もののけ島のナキ』では1フレーム当たり約12分を想定して制作していました。『ドラえもん』では1枚当たり1時間なんというのはよくありますよ。タイムマシンが手前に迫ってくるような、非常に重いシーンでは、1フレーム当たり6時間かかりましたね」と言う。
ちなみに、『STAND BY ME ドラえもん』は約1時間30分の映画だが、全編を通して約12万フレームが存在する。実際、1カットで10枚のフレームを合成することもあるので、おおよそ120万フレーム近くをレンダリングしているという。
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■白組、マシン数百台で画像生成
白組では3D・CG制作ソフトに一貫してAutodeskの「3ds Max」を採用しているが、導入しているPCのスペックの向上や、3ds Maxへの統一によるスタッフの操作の慣れなどにより、以前と同じ限られた時間でも、より質の高い3D・CGが制作できるようになっているという。
今回の制作において、花房氏はとにかく、登場する素材一つ一つの質感にこだわり抜いた。
「ひみつの道具がありますよね。ひみつの道具は未来の道具なので、現代には存在しない素材でできているのかも知れません。だから未来の素材の質感はどういうものなのか、花房氏はものすごく考えたんですよ」と八木氏は語る。「スタッフはよく花房さんのところに行って、現代の素材を見せて『こんな感じですか?』って聞いてましたよね。それで『違う違う、もうちょっと透明感があって…』って指示してました」
ツルツルで映り込みがたくさんあるような素材から、半分だけ透けているような素材まで、未来の素材をいろいろ考察した。