また、ひみつの道具の“リアルっぽさ”を再現するのも大変だったという。単純に3D・CGで作った「ピカピカの新品の道具」では今一つリアルさに欠けるが、かと言って汚しや傷を多数入れてしまうと、「未来から来た新しさ」が失われてしまう。だから、リアルな質感を実現するのに苦労を重ねた。
「映り込みの質感がある道具も登場しますが、ドラえもんの鼻や鈴なども映り込みがあります。そこに映り込んでいるキャラクターや物は、カメラの中に入っていなくても、動いている必要がありますね。そうでないと不自然ですからね。だから映り込みが多い素材を使う時は、被写体以外のモデルの動きに特に注意しました」と花房氏は語った。
加えて、ひみつの道具のみならず「ドラえもん」自身の質感も重要だった。「ドラえもん」自身も未来からやってきたロボットだからだ。「未来の家電メーカーがロボットを作ったら、こういう素材でできているんだろうと想像しました。「ドラえもん」の素材に、指紋ぐらいは付くでしょう、とも考えました。「ドラえもん」の頭とかよく見ると、実はのび太君の指紋でいっぱいですよ」と、花房氏はこだわりを見せる。
鈴木氏によれば、今回の『STAND BY ME ドラえもん』に登場する「ドラえもん」は、29万ポリゴン。のび太君は85万ポリゴンで構成されている。テクスチャー数は、のび太君で61枚だという。
ここまでは「なんとなく家のハイエンドGPUでもレンダリングできそうかな~」と思われる数字であるが、のび太君たちがよく遊ぶ空き地は、1400万ポリゴンで構成されている。そして周囲に民家などがあるので、背景のみで平均3500万ポリゴン。登場キャラクターを含めれば、1シーン当たり4000万ポリゴンとなる。