インド民間銀行最大手、ICICI銀行傘下のICICI証券のアヌップ・バグチ最高経営責任者(CEO)は「工業機械や重工業、運輸分野などで日本企業と協力関係が結ばれるのではないか」と指摘する。
日本企業にとって、インドは世界第2位の人口を持つ市場というだけでなく、リスク分散の観点からも有効だ。長年、主要な投資先だった中国で人件費高騰や外交問題が深刻化し、生産や販売で中国以外の地域にシフトする「チャイナ・プラスワン」は、もはや必要不可欠な選択肢だからだ。
こうした期待の一方で、インフレや労働争議の多発、インフラ整備の遅れなど、インド特有のリスクも存在する。インドは本当に変わるのか。日本企業はモディノミクスの動向に熱い視線を注いでいる。(那須慎一)