帝人の大型仮設テントを使用してコンクリートを打設する常磐道の工事現場=福島県双葉町【拡大】
帝人は22日、イベントや災害時に使う大型仮設テント「エアロシェルターII」を雨天時などの建設工事向けに売り込み始める方針を明らかにした。軽量で強度のある生地のテントを空気圧だけでトンネル状にする仕組みで、骨組みが必要な従来のテントよりも手軽に設営や移動ができる点をアピール。建設業者への営業を本格化し、年間5機程度の受注を目指す。
エアロシェルターIIは、ヨットの帆などに使われる生地「パワーリップ」を使用。強度の高いポリエステル糸を織り込み引き裂けないようにした上、特殊なウレタン樹脂を表面に塗布して紫外線などへの耐久性を向上させた。
従来は屋外イベントや災害時の避難、けが人保護用として、自治体やショッピングセンターなどに年30機程度販売してきた。東日本高速道路が5月から常磐道の橋工事で雨天時もコンクリート打設ができるよう採用したのを契機に、建設現場にも用途を広げて拡販する。
価格はテント内が縦約11メートル×横15メートル×高さ4メートルのレギュラーサイズの本体が318万6000円(送風機や固定用くいなどは別売り)。各種の建設現場に合わせた仕様での販売も始める方針だ。