友田信男氏【拡大】
▼時報堂 1953年に創業した時計・宝石販売業の時報堂(鹿児島市)は6月16日に店舗を閉じ、8月20日に破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は約5億3900万円(2014年1月期決算時点)。
鹿児島市を代表する繁華街の天文館に店舗を構え、テレビやラジオ、ちらし、ダイレクトメールなどを使った積極的な宣伝で知名度や集客力を高め、ピークの1997年1月期は売上高が約14億8600万円、最終利益は約2200万円だった。
しかし、長引く景気低迷による個人消費の冷え込みに加え、同業他社との競合激化などもあって売上高は減少をたどり、2005年1月期には約9億4800万円と10億円を割り込んだ。その後も減収に歯止めがかからず、13年1月期の売上高は約3億8000万円にまで落ち込んだ。減収の影響で09年1月期から5期連続で赤字を余儀なくされた。
14年1月期はブライダルフェアなどのイベントを手掛け、約3億8200万円の売り上げを確保したものの約3000万円の赤字となり、約6300万円の債務超過に陥った。年間売上高を上回る金融債務を抱えて資金繰りに苦慮し、中小企業金融円滑化法の活用とともに、鹿児島県中小企業再生支援協議会の支援も受けながら経営再建に取り組んでいた。しかし、業績の改善がついに見込めなかった。
▼アルファ通信 リアルタイム放射線量測定システムで知られたアルファ通信(東京都中野区)は債権者に破産を申し立てられ、6月2日に東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は約30億3000万円(2013年4月期決算時点)。