東電にとって提携は、地盤の首都圏で中部電に電源を与えることを意味する。28年の電力小売りの全面自由化を控え、他の大手電力や異業種も首都圏進出を狙っており、東電にとっては地域独占のメリットを手放す形にもなる。
だが、東電は福島第1事故の賠償で、原子力損害賠償・廃炉等支援機構から資金を借りて、これまでに計約4兆3千億円を支払ったが、最終的な賠償額の見通しは立っていない。利益の最大の圧迫要因である燃料費の大幅削減を実現する大胆な施策は不可欠だった。
今後は優先交渉先から漏れた大阪ガスが、提携先として加わる可能性もある。政府は、電力各社による地域独占の撤廃を目指しており、東電と中部電以外の社が提携し、新たな“対抗軸”となる可能性もある。(宇野貴文)