このため住商にとって、新しい資源であるシェール案件は起死回生の一手だった。「なかなか資源メジャーにパートナーとして相手にされない」(中村氏)中で、出資に成功した案件は同社の資源ビジネスの牽引(けんいん)役を期待されていた。
東京電力福島第1原発事故や世界的なエネルギー需要の高まり、円高を背景に、大手商社はこぞってシェール案件の権益獲得に動いた。ただ先発の大手商社は同時にリストラにも着手していた。
転換点は11年後半からの中国景気の減速による資源価格の下落。このため12年4~9月期連結決算で大手商社は軒並み最終減益に陥り「掘ればもうかる時代は終わった」(大手商社)と嘆きの声も出た。
三菱商事の原料炭事業、三井物産の鉄鉱石事業は価格の安い時期に取得したため、屋台骨を揺るがすことはないとされる。それでも三菱商事は早々に豪州の大型鉄鉱石開発事業の凍結や豪州石炭事業のリストラに大ナタを振るった。海外資源メジャーもこの2年で矢継ぎ早の炭鉱閉鎖やリストラを実施した。
今ごろになってリスクが顕在化する住商には「資源ビジネス参入の遅れがリストラの遅れにつながった」との声が漏れる。