モバイル広告プラットホームをスナップチャットが今発表したところで、グーグルやフェイスブックに対して技術的に有利に立つわけでは全くない。しかし、モバイル広告市場の自然な成長の波に乗って、スナップチャットの成長が後押しされることは間違いない。大げさに言えば、これほど特定のユーザー層の心をがっちりつかんだスナップチャットが広告を始めれば、どんな無能なスタッフを雇っても収益を生み出すだろうと言えるぐらいだ。
また、ターゲティング広告システムについては、収益化の名目でユーザーのプライバシーを侵害するものという批判があり、常に人々からの反発にさらされている。これも、スナップチャットには有利にはたらく。
スナップチャットは急ぐ必要がない。複数の資金調達に成功し、使えるお金はたくさんあるはずだ。今すぐに収益を生み出さなければいけないから広告を始めたのではなく、サービスに満足している既存ユーザーを少しばかり利用しようとしているだけだ。
スナップチャットの若者ユーザーは、年齢が上の私たちに比べて、サービスに没頭しやすいのが特徴だ。ユーザーの年齢が上がるにつれて、エンゲージメントは下がっていく。18歳のユーザーは、家族や友達とのコミュニケーションでスナップチャットを通話よりも多用するという。12歳から24歳までの最もアクティブでエンゲージメントの高いユーザー層を抱えるというだけでなく、スナップチャットは特に広告市場として価値が高い北米と西ヨーロッパで強みを持つ。これほど価値のある市場を抱えながら、利用しない手はない。