バルミューダの寺尾玄社長。扇風機や空気清浄機など製品の全ては「本質」にこだわって開発した=東京都武蔵野市【拡大】
株式公開も視野に
ロックミュージシャンだったという寺尾氏は「製品は楽曲と同じ」と話す。細部までこだわり抜いた製品は工場で作られた物だが、そのデザインと機能、開発に込められた思いといったトータルな世界観は“作品”と呼ぶにふさわしい。
寺尾氏とバルミューダの製品群を知ると、大手家電メーカーの作る製品が、そのメーカーが本当に「やりたくてやっていること」に見えないという寺尾氏の見方も理解できる。
寺尾氏はまた、「創業者がいなくなり、時間がたってしまうこと」を、そのメーカーの製品の魅力が失われていくポイントだともみている。「米アップルも例外ではないのではないか」
ただ、バルミューダも「来年、再来年に向け、さらに魅力的な製品ができる」と製品群の枠を拡大する予定。季節家電以外の生活家電の開発も進めている。4年前に5人だった社員も現在は約50人。さらに「大幅に増やしていく」。海外進出も現在の韓国、ドイツ、中国以外にも広げる計画だ。株式公開を含め、まとまった資金の調達も視野に入れる。