今月開かれた家電・IT見本市「CEATECJAPAN(シーテック・ジャパン)」では、各メーカーによる4Kテレビの展示も目立った=千葉市(宮崎瑞穂撮影)【拡大】
ただ、半ば「国策」として対応のスピードアップを求められた民放局からは困惑する声も上がっている。在京キー局幹部は「地デジ化で視聴者の多くがテレビを買い替え、テレビ局も機材や設備を刷新したばかり。4K番組には現在の倍以上の制作費がかかり、コンテンツの普及にも時間がかかる」と明かす。
各局はドラマやスポーツなどの番組制作に取り組んでいるが、「どういうジャンルが4Kに向いているのか、撮り方も含めて研究している状況」(民放幹部)というのが現状だ。フジテレビの亀山千広社長は「中には『大画面だと疲れる』という視聴者もいる。本格的な普及を目指すなら、国も制作者も『視聴者目線』を考え直す時期に来ている」と話している。