【番頭の時代】(4)志賀俊之・日産自動車副会長(下) (4/4ページ)

2014.11.15 05:00

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 「日産の真の能力を反映したものではない。目標を達成することを約束する」

 昨年5月の決算会見で、ゴーンは声を荒らげた。ゴーンが目指す終着点は、16年度までに世界シェアと連結営業利益率をともに8%とする中期経営計画「日産パワー88」の達成だ。昨年の業績悪化がなければ、志賀との“二人三脚”で終着点を目指す選択肢もあった。

 だが、最大の理解者でもあり、進言者でもあった志賀は経営の一線から退き、副会長となった。ゴーンが代表取締役の肩書を残したのは、まだ番頭としての手腕が必要だというゴーンのメッセージにほかならない。

 志賀はいま、次代を担う経営陣の補佐的役割として、完全に裏方に徹している。ゴーンの右腕となる新たな番頭が育つ日まで、志賀は日産を支え続けるだろう。(敬称略)

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 ■番頭の教え

 ◆番頭はプロのナンバー2たれ

 「BANTOU」は決して社長を超えることはない。企業の成長に不可欠な要素を正確に捉え、ビジョンを描く社長を支える。有事に現場の混乱を最小限に抑える能力は、社長にとって何事にも代え難い。「社長の考え方は、いわれなくても分かる」だけでなく、「いざとなったら社長を守る」という志賀氏は、まさに究極のナンバー2、「BANTOU」である。経営感覚、現場感覚、バランス感覚-のすべてが高いレベルに達するプロフェッショナルにしか「BANTOU」は務まらない。(ビズグロー代表 杉村知哉)

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