□「Project Ara」責任者 ポール・エレメンコ氏
■付け替えスマホ、ハードの民主化推進
気分にあわせて、あるいは必要に応じて、機能を選び、モジュールを付け替えるスマートフォン「Project Ara(プロジェクト アラ)」。計画を進める米グーグルのポール・エレメンコ氏のインタビューの続き。(前回は3日付掲載)
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■来年後半に市場調査 新機軸で課題克服
◆まずは消費電力抑制
最初の課題の一つは、モジュールデバイスを支えるため、できる限り消費電力を抑制する、電力のオーバーヘッドを下げるということでした。一般的なスマホと同じような待ち受け時間、利用時間を確保しなければいけないと考えています。プロジェクト アラでは、東芝がICチップのパートナーです。デバイス上のネットワーク(モジュール間のやり取り)で消費する電力をできるだけ抑えて、スマートな電力管理を実現したい。我々は“モジュラリティのオーバーヘッド”と呼んでいるのですが、これを下げる努力をしてきたのです。
バッテリーもモジュールの一つですから、さまざまなサードパーティーから登場するでしょう。複数の企業がバッテリーモジュールを供給するようになり、いろいろなテクノロジーを搭載するバッテリーが今後利用できるようになる、エネルギー密度が高いものが利用できるようになる、といったことも考えられるでしょう。
それからバッテリーのホットスワップ機能(電源ONのままパーツを交換する)もサポートしたいのです。これはエンドスケルトンに小型のバッテリーを内蔵することで実現したいと考えています。
最初はマーケットパイロット(市場調査)を2015年の早い時期としていましたが、これは15年の後半、おそらく遅い時期になりそうです。いくつかの課題に遭遇しましたが、一つは先述した消費電力です。