【番頭の時代】(6)日本電産の「補佐役」たち(下) (2/4ページ)

2014.11.19 05:00

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 「自分が社長になったら、お前を副社長にするわ」

 創業時に永守が約束した通り、小部は2000年4月、副社長に就任した。現在、取締役会を仕切るのは小部の役割だ。

 関係者は「永守さんと似ていて、取締役会ではズバズバと厳しい指摘をしている」と打ち明ける。まるで、永守がもう一人いるように感じるという。

 会社の規模が拡大し、トップの声が端々まで届きにくくなる中で、トップの考えを熟知し、本人に代わって、分身のように会社を動かす。小部の番頭としての真骨頂がある。

 「次、社長やるか?」と永守から尋ねられたとき、小部はきっぱりと断った。

 「私は番頭です」

 永守は、小部の答えに満足そうな笑顔を見せた。

 「番頭がトップ狙ったらあかんがな。あくまでトップを支えるわけや。野心もったらあかん」

 2005年、日本電産の関連会社の社員による不祥事が問題になった。通常なら当然、解雇処分だ。

 しかし、社長の永守は問題の社員に以前から目をかけていた。解雇の踏ん切りがつかない永守に、副社長の小部は迫った。

 「一度特例を作ると組織の規律は保てない」

 学生時代から常に頭が上がらなかった“親分”に対する諫言(かんげん)は、小部の覚悟の表れだ。それが会社のため、ひいては永守のためになると小部は信じていた。

 ワンマン経営者である永守は、ややもすれば社内で誰も異なる意見を言えなくなる危険がある。だからこそ、ブレーキ役が欠かせない。永守は小部を手ばなしで評価する。

 「彼なくして今の会社はないわ。成功している人の裏には、必ず番頭がいる。今の時代では代表的な番頭や」

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