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≪インタビュー≫
□森山慶一社長
■目標は子供を入れたくなる会社
--2代目の自覚は?
「小さい頃はただ、父親がいつも仕事をしていて家にいない、という感じだった。小学校高学年ごろから工場などに入って仕事を間近に見るようになり、高校で進路を考える段階ではぼんやりとしたイメージはあった。大学2年のとき、設備投資が先行して会社が厳しい状況になり、『自分がこの会社を守る』というはっきりとした自覚を持った」
--理想の会社像とは?
「『メークスの給料で、社員が家を建てられるように』という創業者の夢は徐々に達成しつつありますが、さらに利益を上げて、しっかりとベースアップしていきたい。目標は『自分の子供たちを入れたくなる会社』だ。どの企業も人材の確保が重要な課題となっているが、企業イメージを上げることで優秀な人材も集まる。一般的な認知度、イメージという点ではまだまだだと思う」
--さらなる成長の鍵は?
「新工法にある。これまで大手の住宅メーカーさんから仕事を頂く、いわゆる下請けのような形だったわけだが、新工法を開発したことでこちらから住宅基礎という商品全体のイメージを提案できるようになった。ただ、既存の事業とのバランスも非常に重要だ。適切な人員の配置など足元をしっかりと固めながら、新たな人材の育成にも取り組んでいる」
--新工法の展望は?
「鉄筋の部分など独自に開発した技術については、全国に協力工場を作って供給していきたいと考えている。これまではメーカー同士で競争してきたが、1社独占では広がりがなくなってしまう。同業他社も巻き込んで全国展開していくことで、業界全体が潤うはず。自分も今回社長に就任したが、業界全体が徐々に世代交代の時期にある中で、経営者間でも意思疎通を図っていきたい」