アップル側は、この訴訟についてコメントしていない。
両社の取引が始まった後の07年、アップルは初代スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を発売。スマホで世界を大きく変えた同社の業容は急拡大し、11年には時価総額で米エクソンモービルを抜き去り首位に立った。今月4日の終値ベースでは6773億ドル。1ドル=120円で計算すると約81兆2760億円でトヨタ自動車の3倍超だ。
島野は「アップルは取引開始当時とは変わってしまった。企業は大きくなったが、人や内部管理体制、コンプライアンス(法令順守)が追いついていないのではないか」(幹部)と指摘する。同社側の溝田宗司弁護士は「取引にはルールがある。そのルールが破られたとき、どう対処すべきか。これは“技術立国”日本を支えるデバイスメーカーに共通する問題だ」と話している。(高橋寛次)