タカタ製エアバッグが作動時に破裂して金属片をまき散らす恐れがある欠陥問題で、ホンダは9日、全米で実施を決めた調査リコール(回収・無償修理)に準じる措置を世界各地に広げる方向で検討を始めた。既に原因が特定された正式なリコールと合わせて、対象は累計1200万台を超える規模になる見通しだ。
国内でも原因究明のための自主的な調査リコールを行うと国土交通省に報告した。平成16~25年式のミニバン「エリシオン」など6車種、計13万4584台を回収し部品を交換する。今月下旬から利用者に通知する。マツダもセダン「アテンザ」など約5万2千台について同様の措置を取る方向で検討している。
日本では調査リコールの制度はないが、利用者の安全確保を重視して国交省が自動車メーカーに実施を指示したことを受け、これに準じた措置を取る。国内では初の試み。
太田昭宏国交相は9日の記者会見で「原因の特定を待つと時間があまりにかかりすぎ、不安が広がる」と説明。ホンダの措置を容認する考えを示した。
調査リコールは原因が特定できない段階の予防的措置。「対象地域や規模は精査中」(広報)だが、日本や米国に加え中国、豪州などのアジア・オセアニア地域にも拡大する模様だ。
米国での調査リコールについては、これまでの南部などの高温多湿地域から全米に広げ、対象台数は約280万台から約540万台に増える。