--今後の展望は
「電動刈払機をはじめ、さらなる軽量化を訴求し、強みである独自技術の扁平(へんぺい)型コアレスモーター技術をベースにした、モーター応用製品や小型発電体などの開発を進めたい。とくに市場性が高い小型発電体は、風力発電を効率化でき、再生化可能エネルギーの普及に貢献できると思う。多くの特許も申請しており、来年4月には製品化する計画だ」
◇
【プロフィル】岩谷公明
いわや・きみあき 札幌工業高卒。1968年に製材機械製造の岩谷工業に入社。90年にコスモサークルとして独立、99年にコスモメカニクスを設立、社長に就任。2005年北海道新技術・新製品開発賞大賞、07年発明協会会長奨励賞などを受賞。68歳、北海道出身。
◇
≪イチ押し≫
■コイル代替で「電機子回路」搭載
従来型モーターは固定した永久磁石と、回転する電磁石とで構成される。鉄心(コア)に銅線を巻いたものが電磁石で、電気のプラスマイナスを変えると電磁石のN極とS極が変化して、永久磁石と電磁石が反発しあい回転力が生じる。
「I・Kコアレスモータ」はコイルの代わりに「電機子回路」を形成した薄い銅基板を使う。永久磁石をNS極が交互になるように並べた円盤を固定し、銅基板を重ねるように配置して反発させあい、回転力を得る扁平型モーターだ。コアや銅線がない分、軽くなる。設計段階でディスクの形状や枚数を選び、自由に出力を制御できる。
定格出力は250ワット以上、回転数は毎分3500~6000回転。用途は電動刈払機から、自動車や一般機械など幅広いニーズに対応できる。モーターと逆に、回転力から電気を起こすのが発電機だ。