■ビッグデータ時代に向けて事業拡大
--足元の事業環境は
「ヘルスケアやイメージング事業などが想定以上に伸長した。ヘルスケア領域では、医療用のIT(情報技術)システムや超音波診断装置、内視鏡などの新製品を積極投入し、売り上げは10%以上伸びた。医薬品事業も堅調に推移している。2018年以降、特にアルツハイマー薬などのホームランバッターが出てくると期待している状況だ。今後は、バイオ医薬にも期待しているが、高度な生産技術が必要だ。このほど、ワクチン製造に強みを持つ米ケイロン・バイオセラピューティクスの買収を完了したが、独自の技術があり、期待できる。売り上げ規模で2桁は伸ばしたい」
--デジタルカメラ事業は、低価格帯、中価格帯のコンパクトの台数減で減収要因になった
「昨年まで数を売る戦略だったので、反動で減収要因になっているのはやむを得ない。今後はミラーレス中心にやっていく。特に高級機種の『Xシリーズ』のほか、超望遠や防水仕様などのコンパクトカメラが好評だ。今後は付加価値の高い製品を提供していく戦略だ」
--インスタントカメラの「チェキ」やデータを保存する磁気テープの販売が好調だ
「アナログ文化が見直されているのではないか。デジカメで撮影しても整理できていない人も多く、プリントする楽しみを伝えたい。磁気テープは、バリウム・フェライトという鉄粉の開発により、記録できるデータ容量が飛躍的に増えるという革新を起こせた。今後のビッグデータ時代に向けて事業を拡大したい」