商品開発者にとって、節目、節目で、今後どうするかを考え、決断することが重要だ(AP、イメージ)【拡大】
スタティック確認は、従来の延長上にある車両と、まったく初めての車両とでは、確認する項目そのものも異なる。最近で言えば、おそらく燃料電池車などはかなり長い時間を掛けて、機能確認を行ったのではないだろうか。ましてや、これから出てくる自動運転車などでは、なおさらであろう。
そして、スタティックな確認が全て完了して、いよいよ実車の「IG-ON(点火装置のオン状態)」となり、ダイナミック(動的な)確認に移る。クルマとして本当に機能しているのかどうか、最もドキドキする瞬間である。まさに、クルマが生まれる瞬間ともいえる。
また、ダイナミック確認が始まっても、各種走行までにいろいろな確認が続く。走行しようとすれば、メーターやディスプレーにエラーが表示されたり、ある機能がうまく作動しないなど数々のトラブルが生じる。これらは実験部門を中心に、各種改良を重ね、ようやく走行試験に入ることとなる。
さて、このような時、責任者はどのようなことに注目すべきであろうか。もちろん、試作車の評価や次にスケジューリングされている項目を検討することも大切である。しかし、それより、このような節目の段階では、一旦立ち止まって、過去・現在の状況を振り返り、環境が以前と変わっていないか、これまでの進め方は良かったのか、今後も計画どおりで進めてよいのかなどを考えることが大切であろう。