ただ、トヨタはハイブリッド車(HV)など、環境技術で世界を牽引(けんいん)している。地球温暖化への対策が世界的規模で検討される中、ガソリン1リットル当たり6.6キロしか走らないランクル70を本格的に販売を再開すれば批判を浴びる恐れもある。トヨタにとって、相当な覚悟が必要になる。
ならば、30周年に合わせて限定販売するのはどうか。そう考えたのは11年、ランクルシリーズ60周年の企画を立てていたころだ。乾坤一擲の試乗会で役員の賛同は取り付けた。それでも、実現には採算が取れると営業部隊を納得させねばならない。
今どきのクルマと正反対
ハードルは高かった。ランクル70はマニュアル車しかなく、ハンドルを回して窓ガラスを開け閉めするなど、出先でも修理できるよう電子機器を極力省いている。「命を預けられる車」(小鑓氏)であるが故に、快適さを追求した今どきのクルマとは真逆を向いているのは確かだ。「月100台も売れないだろう」。そう指摘を受けた。