世界販売首位の座から転落する可能性が高まったトヨタ自動車だが、収益性では依然、独フォルクスワーゲン(VW)を引き離す。超円高に見舞われる中も、コスト削減など地道な取り組みを続けてきたからだ。2013年度から3年間凍結している工場新設の解除も視野に入れるが、規模拡大に頼らずに成長を持続する戦略を鮮明にしている。
昨年の世界販売でトヨタを9万台差まで追い詰めたVW。ただ、売上高営業利益率は6.4%(1~9月期)にとどまり、10.4%(4~9月期)のトヨタに水をあけられている。「ポルシェ」や「アウディ」など高級ブランドは別として、主力のVWブランドの利益率が低く生産や開発コストが重荷になっている。
トヨタはリーマン・ショック後に赤字に転落して以降、コスト削減や投資の効率化を徹底。既存設備を最大限活用することで、工場稼働率はグローバルで約9割まで高まった。
15年の販売台数について、トヨタは前年割れを見込んだが、収益強化の手を緩めるわけではない。
原油安を受け、利益率の高い大型車が人気の米国については、今月の北米国際自動車ショーでもピックアップトラック「タコマ」の新型車を公開、秋に投入する。アジアなど新興国向けでも戦略車「IMV」の全面改良を予定している。
証券アナリストは「台数と収益性は直結しない。VWがトヨタを抜くのは当分難しいのではないか」と指摘する。