【春闘】古賀伸明・連合会長「賃上げ起点で好循環を」

　－－今春闘に対する意気込みは

　「経営者は、企業の収益が上がったから賃金を上げて好循環を生み出すという発想を転換し、多少の無理があっても、国民所得を上げるところに好循環の起点を前進させることが必要だ。今年は昨年より厳しい交渉になるが、経営者は個別企業の経済合理性に埋没せず、日本の社会をどうするかというマクロ的な視点で議論に応じてほしい」

　－－格差是正も重要な論点だ

　「アベノミクスで一部の層には光が当たったが、経済格差が開き、貧困率が上がっている。年収２００万円以下の層が４分の１になり、非正規労働者も増える傾向にある。最も懸念しているのが若年層の最初の就職の４割が非正規という実態だ。労働市場でなく、社会全体の問題として解決を図らなければならない」

　－－地方への賃上げの広がりは

　「地方創生は簡単ではないが、日本のＧＤＰ（国内総生産）の７～８割を地方経済が占めており、日本再生には欠かせない。行政や産業界、労働界など地域をあげて、賃上げ起点でお金を環流させることが重要だ」