絵や音で「爪痕」
これまでノイタミナで放送されたアニメは50作品。挑戦的な映像作りで話題となった作品も多い。「化猫」など古典ホラーを独自解釈で映像化した「怪 ~ayakashi~」は、独特の雰囲気と映像美が話題になった。「空中ブランコ」ではアニメと実写を組み合わせ、「放浪息子」では原作漫画の淡い色調や線画をアニメで再現した。
音楽に対するこだわりも特徴だ。「ハチミツとクローバー」ではアニメソングではなく、スピッツやスガシカオら人気アーティストの楽曲を使用。ジャズが題材の「坂道のアポロン」では、実際にミュージシャンが「一発録り」で収録を行い、作品で使われた。「のだめカンタービレ」「四月は君の嘘」などクラシック音楽を扱った作品も演奏シーンのクオリティーの高さが作品に厚みを加えた。
ノイタミナ編集長を務める森彬俊(あきとし)プロデューサーは「チャンネルをザッピングする際、絵や音楽にぐっときて、チャンネルを合わせてくれるとすごくうれしい。見た視聴者の心に“爪痕”を残せるような作品をこれからも作っていきたい」と話している。