環境省の採択事業である除染技術実証試験に使われた放射能対応型熱分解装置=福島県浪江町【拡大】
環境装置メーカーのEEN(東京都文京区)は、熱分解反応により放射性汚染廃棄物などを減容化するとともに、放射性セシウムなどを飛散させることなく残渣(ざんさ)炭化物内に閉じ込める技術を確立した。環境省の採択事業「2014年度除染技術実証事業」で有効性を確認した。東京電力福島第1原発事故による除染作業で出た汚染廃棄物の処理に役立つと期待される。
同社は日本プラント建設(同江東区)と共同で、独自開発した放射能対応型熱分解装置を使って福島県浪江町で実証試験を行った。
放射性物質に汚染され、鉛など有害物質を含む漁網や、農業用塩化ビニールなどを高純度の窒素雰囲気の下、400~500度で熱分解反応させて減容・減量化する試験などを実施。漁網から鉛を回収することに成功した。また熱分解炉内や配管などにセシウムの蓄積はなく、安全に減容処理できることも実証。懸案だったセシウムの固定化について環境省は「おおむね炭化物に移行した(閉じ込められた)」と評価した。