【東日本大震災4年】「原発に近い街」福島・いわき市、風評消えず… 細る観光業 (3/3ページ)

2015.3.14 06:22

いわき湯本温泉の老舗旅館「雨情の宿新つた」の女将、若松佐代子さん。名湯といわれた温泉街は今なお風評被害に苦しんでいる

いわき湯本温泉の老舗旅館「雨情の宿新つた」の女将、若松佐代子さん。名湯といわれた温泉街は今なお風評被害に苦しんでいる【拡大】

 風評被害に伴う観光業などの営業損害に対しては、東京電力から賠償金が支払われているが、政府・東電は来年2月までで支払いを打ち切ることも一時検討したほどで、今後いつまで制度が継続されるかは不透明だ。「賠償が打ち切られれば、立ちゆかなくなる旅館が出てくるかも…」。若松さんは表情を曇らせる。

 いわき市全体でも10年と13年を比べると、観光客数は3割近く減った。一方で、1日には「大動脈として復興の起爆剤になる」(安倍晋三首相)という常磐自動車道が全線開通。JR常磐線の一部特急列車が上野発着から品川発着に変更される。いわきにはV字回復に成功したレジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」もある。

 さらに、4月からは県やJRグループによる大型観光キャンペーンも始まる。地元は「交通網の整備やキャンペーンは好材料。ハワイアンズも含めて観光の回遊性を高めていきたい」(JTB東北いわき支店)と現状打破に期待を込める。

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