神鋼が創業の地で粗鋼生産を停止し、電力事業を強化する理由は、安定収益を確保するためだ。神鋼の主力の鉄鋼(素材)や建設機械などの事業は、自動車など各産業の「国内外の景況感に左右されやすい」(同社幹部)というデメリットがある。これに対し発電事業は基本的に地元の関西電力との間で電力卸売りの契約が結ばれており、発電所のトラブルがなければ安定した収益が計算できる。
神鋼は平成14年から神戸製鉄所内に発電事業に乗り出し、現在は石炭火力発電所2基(出力計140万キロワット)を稼働。神戸市のピーク時の電力の約7割をまかなう。
同社の発電事業は経常利益ベースで「170億円前後を稼ぐ」(同社幹部)といい、26年3月期の連結業績でみると、実に同社の経常利益全体の約2割を占める計算になる。神鋼の経営を支える屋台骨のひとつとして存在感を示す。
東日本ではガス火力
神鋼の中期経営計画(25~27年度)では、電力供給事業について「拡大」と明記。安定した収益源の確保へさらに投資を進める。