商社、非資源の柱に農業 「肥料」「飼料」など業界再編を主導 (2/3ページ)

2015.3.21 07:01

トウモロコシを輸入・保管する丸紅グループのパシフィックグレーンセンター。農業の競争力強化に欠かせない飼料や肥料業界では再編が加速している(丸紅提供)

トウモロコシを輸入・保管する丸紅グループのパシフィックグレーンセンター。農業の競争力強化に欠かせない飼料や肥料業界では再編が加速している(丸紅提供)【拡大】

 片倉チッカリンの野村豊社長は「日本農業の復活に貢献できる」と強調。約40社がひしめく肥料業界は需要が減少傾向にあり、これまで目立った動きがなかったが、今回の統合をきっかけに、再編が動き出すとの見方が業界で浮上している。

 飼料業界では、中部飼料と伊藤忠傘下の伊藤忠飼料と資本・業務提携に向けた協議開始によって、業界再編第2幕の火蓋が切られた。

 第1幕は、昨年10月の協同飼料と三井物産系の日本配合飼料の経営統合だ。統合会社「フィード・ワンホールディングス」を設立し、JA全農に次ぐ民間トップに躍り出た。中部飼料は畜産や水産など幅広い品ぞろえや営業力に定評があり、今後の再編の「台風の目」とささやかれてはいた。ただ、商社とは一線を画す独立系であるため、「山は簡単には動かない」(業界関係者)とみられていた。

 それだけに今回の提携協議入りがもたらした業界への衝撃は大きく、資本提携先をさらわれた他の大手商社は心中穏やかではない。第2幕の主役、伊藤忠飼料は研究開発や技術力に定評があり、両社は得意分野を生かす具体策を協議していく。

 日本の飼料原料の輸入は減少傾向で、ここ数年は年間2400万トンを切る水準にある。最大手のJA全農が依然として全体の約3分の1に相当する輸入を取り扱っており、JA全農の動向が鍵となる。他の商社系の次の一手が注目される。

 ハムメーカーの再編でも伊藤忠が存在感を示している。これまでもプリマハムに資本参加してきたが、昨年12月に中堅の滝沢ハムに出資したのに続き、2月23日、大手の丸大食品の発行済み株式の2.5%を取得することで合意したと発表した。

 伊藤忠は3月11日付で丸大食品から自社株約2.0%を譲り受け、ほかの既存株主から3月末までにさらに約0.5%買い取る。取得額は約14億円。伊藤忠は「原材料調達から商品開発、販売物流機能で協力関係を強化し、グループのファミリーマート向けの商品ラインアップを強化する」と狙いを話す。

 他の大手商社に先駆けてハム業界に注力している三菱商事は、業界2位の伊藤ハムに出資しているほか、米久を子会社化した。再編の行方は中堅独立系のスターゼンと、「こてっちゃん」で知られるエスフーズの2社の動向に左右されそうだ。

一方、海外でも畜産関連業界に再編の波が押し寄せている

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