【物流イノベーション】日本郵便の挑戦(2-2) (2/3ページ)

2015.4.22 05:00

「無添加で新鮮さが商品の特徴です」と語るCS向上課の石原由実子課長代理

「無添加で新鮮さが商品の特徴です」と語るCS向上課の石原由実子課長代理【拡大】

  • アマゾンジャパン輸送事業部輸送サービス開発部・日南田英介部長
  • ナスタ笹川順平社長
  • ナスタが開発した郵便受け箱「D-ALL」

 約1年の検討期間を経て大型郵便受け箱の試作品ができあがり、設置普及への取り組みが進み昨秋の発表となる。日本郵便は2016年3月末までに規格適合の郵便受け箱を設置したデベロッパーへ500円を払い普及を促す。4月1日から申し込み受け付けを開始した。

 発表から半年を経た段階での反響について津山執行役員は「予想以上にデベロッパーやハウスメーカーから問い合わせをいただいた。大型郵便受け箱は価格が従来品よりも高くなるので、導入を促すために手数料を払う対策を講じることにした。手応えはある」と話す。

 課題は戸建て住宅への普及だ。ハウスメーカーへの働きかけや、個人向けに利便性の高さを粘り強くアピールし、気づきを促すしか方法はない。「既存のマンションはリフォーム時に、戸建て住宅は地道な展開になる。マンションは20年、戸建てはもっと長いスパンで普及を進めていく」(同)と長期的に取り組む構えだ。

                  ◇

 <ユーザー、開発メーカーの声>

 □業界の常識を打ち破る大型化への発想

 ■商品受け取りの改善は当然の流れ

 大型郵便受け箱の考えは、日本での事業を開始し14年目となるアマゾン、住環境メーカーとして着実にお客さまの信頼を得てきたナスタ、そして日本郵便の3社が、各業界で課題となっていた再配達を軽減させる取り組みとしてスタートした。

 アマゾンは国ごとに異なる配送スタイルに合わせた展開を行っており、日本でも郵便事情に適合するサイズで商品を配送してきた。

 当初は書籍、DVDなど比較的薄い商品が主流であったが、ネット通販市場の拡大に伴い、扱い商品も食品、衣服など大型化している。

 「利便性を考えると箱を小さくすることと、大きくても郵便受けに配達できること、両面の対応が必要ではと考えた」と輸送事業部輸送サービス開発部の日南田英介部長はいう。逆転の発想といえる。

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