19日の東京株式市場でソニー株が年初来高値を更新し、6年8カ月ぶりとなる4000円台回復に迫った。テレビ事業の黒字転換など経営内容の改善が進んでいることから今期(2016年3月期)は3年ぶりの黒字転換をめざしている。投資家らの期待が高まり、株価の急騰が続いている。
19日のソニー株は一時1.8%上昇して70円高の3970円まで値を上げ、4000円の大台まであと30円に迫り、3営業日続けて上昇。年初来高値を更新した。終値は57円高の3957円だった。
バブル期は3万円(株式分割前)を超えていたソニー株だが12年11月には700円台まで値を下げた。12年5月に一時2000円台を回復、15年2月には3000円台を回復し、わずか3カ月で4000円回復を狙うまで値上がりが続いている。
4000円台の回復は、08年9月以来、ほぼ6年8カ月ぶりのこと。
ソニーが4月30日に発表した15年3月期の連結決算は、最終損益が前期とほぼ同水準の1259億円の赤字だった。しかしテレビ事業の営業損益が11年ぶりに黒字に転換するなど好材料も出てきた。最近は毎年のように、期初に設定した業績予想を何度も下方修正しているが、今期(16年3月期)は1400億円という大幅な最終黒字を目標に設定した。