とはいえ、フルサービスキャリアが飛ばす長距離路線で、関空は成田に水を空けられているのが現状だ。関空の“弱点”とされる長距離路線網の脆弱さ。欧米便は国際線全体の1割程度に過ぎず、日本を代表する国際拠点空港の成田とでは大きく見劣りする。「長距離路線への乗り換えなどを考えれば、関空よりも成田の方がはるかに便利で、地力は成田が上」(航空業界関係者)との見方が強い。関空にとって、成田のLCC拡充は最大の脅威といえる。
国土交通省は2020年の東京五輪までに成田、羽田両空港の発着枠を増やす方針を打ち出す。成田の猛追が予想されるなか、関空がLCC誘致で優位を保ち続けるにはLCCだけでなく、フルサービスキャリアの就航による路線網の拡充などが急務となる。
日本最大のLCC拠点の地位をかけた戦いの軍配はどちらにあがるのか。勝負の行方は、関西の地域経済にも影響しそうだ。