会見する東京海上HDの永野毅社長=10日、東京都千代田区【拡大】
東京海上ホールディングス(HD)は10日、米保険会社HCCインシュアランス・ホールディングス(デラウェア州)を約75億ドル(約9400億円)で買収すると発表した。国内の保険会社による海外のM&A(企業の合併・買収)では過去最大額になるとみられる。大手保険各社の海外進出姿勢が鮮明になってきた。
傘下の東京海上日動火災保険を通じてHCCの全株式を取得し、10~12月期に買収手続きを完了する見込みだ。
HCCは米国や英国、スペインなどで事業を展開し、医療・傷害保険や会社役員賠償責任保険、農業保険など専門性の高い保険商品に強みを持つ。東京海上が扱う商品と重複が少ないことから、東京海上HDの永野毅社長は会見で「国内外で相互に支え合う事業構造がつくれる」と説明した。
買収に伴って、海外事業の利益は買収前比38%増の約1750億円に膨らむ。グループ全体に占める海外保険事業の比率は38%から46%まで拡大し、国内保険事業に匹敵する規模になる。永野社長は「いい相手に巡り合った」と満足げだ。
東京海上HDは、先進国を中心に海外M&Aを積極化している。08年には英キルンと米フィラデルフィア、12年には米デルファイを相次いで買収し、この3社だけでも8000億円近くを投じた。
日本の保険会社が海外シフトを強める背景には、少子高齢化に伴う将来的な国内市場の縮小に対する危機感がある。