◆北米での売上高30%
--クラシックやオーケストラ以外の分野ではどうか
「使われる演奏領域も多様化し、その中には即興性が求められるジャズも含まれる。当社のピアノを使っている高名なジャズピアニストも多い。ここ数年の海外売上高のうち、約30%が北米市場での売り上げ。米国はジャズ発祥の地であり、この分野の構成比率は他地域に比べて高い」
--国や地域によって音楽教育の傾向も異なる
「一概には言えないが、専門的な音楽教育の世界では、徹底した英才教育でピアニストの才能を伸ばすアジア的感性と、各人の独自の方法論で才能を引き出す欧米的感性があるという私見を持っている。当社は1956年に音楽教室事業に参入、2007年からは中国でもカワイ音楽教室を展開、現在11教室ある。富裕層を中心に子供への音楽教育が熱心であると捉えている」
--ピアノの生産拠点は国内の竜洋工場のほか、インドネシアにもある
「万国共通なのは、ピアノが過酷な環境にさらされる時間の長い楽器である点。鍵盤をたたかれ、演奏中はオーケストラの音の振動を受け、会場は聴衆の出入りや照明器具の影響で温度変化も激しい。それでも長年にわたり安定した音色を出す確実性が求められる。どの工場で生産したピアノもその点は万全だ」
注:河合弘隆社長の「隆」は正確には「隆の生の上に一」