冬の飲み物というイメージの強い甘酒が、最近は夏にもよく売れている。栄養豊富な甘酒は、江戸時代には夏ばて予防に飲まれていたとされ、俳句の世界では夏の季語。食品メーカーは熱中症対策や美容効果をアピールし、さっぱりした味わいの商品を投入するなど市場拡大を狙う。昔ながらの甘酒店でも夏の来客が増えている。
家族連れらが行列
「冷やし甘酒、ご用意してまーす」。6月14日、東京・池袋のサンシャインシティで、日本気象協会主催の熱中症予防イベントが開かれた。法被姿の森永製菓の社員は、クーラーボックスで冷やした缶入り「冷やし甘酒」を来場者に配った。
家族連れらが行列をつくり、用意した2400本は4時間ほどでなくなった。娘と一緒に買い物に来た埼玉県春日部市の主婦(52)は「冬に温かい缶は時々買うけれど、冷たいのは初めて。甘ったるくなくて飲みやすいし、この夏は飲んでみたい」と納得の表情。
森永製菓は長年、冬に温めて飲むための缶入り甘酒を販売してきた。夏向けに、塩田で作ったうまみのある塩や黒蜜を加えた青い缶を発売したのが2000年。人気が広がったのは、11年の東日本大震災の際に、節電による熱中症の予防にと提案したのがきっかけだ。