日本で増える外国人起業、政府後押し 成長促進、雇用受け皿拡大狙う (4/4ページ)

2015.7.14 06:00

マミーケアのジャスティン・クルーンCEO。「日本発のビジネスを世界に広めたい」と意気込む=東京都渋谷区

マミーケアのジャスティン・クルーンCEO。「日本発のビジネスを世界に広めたい」と意気込む=東京都渋谷区【拡大】

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 千代田、中央、港など東京の9区や神奈川県、千葉県成田市が国際的ビジネス拠点づくりの国家戦略特区に認定されたことを受け、3月には登記や税務、社会保険といった起業関連の手続きを1カ所で行える「東京開業ワンストップセンター」も東京都港区に開業した。

 外国人の起業を支援するアクロシード(同千代田区)の佐野誠社長によると、外国人の在留資格の緩和が明らかになった3月ごろから「依頼案件が確実に増えてきた」という。

 もっとも、環境整備はまだ十分とはいえない。佐野氏は4カ月間利用できるビザについて「申請時に事務所の確保を要件として求めており、利便性が高いとはいえない」と指摘。日本総研の野村氏も「もっと英語で情報発信しないと、せっかくの要件緩和が水の泡になる」と、政府に一層の努力を促す。

 治安確保との兼ね合いがあるとはいえ、起業家向けに特化したビザを用意している英国やドイツに比べ、物足りなさは否めない。世界銀行が毎年発表している「ビジネス環境」のランキングによると、日本は14年の調査で総合29位につけたものの、「起業のしやすさ」では83位にとどまった。外国人起業家を誘致するための競争は世界規模で過熱しつつあり、ライバルとなる海外各国に劣らない環境整備が求められている。(井田通人)

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