「最初はろ過器を作ることに対して『楽しそう!』と興味を示すのですが、実はそれ以外のことにもっと反応してくれます」
「お水の教室」に参加した子どもたちが家に帰って話を伝えることで、親にもプログラムを理解してもらう可能性が広がる。「これまで『井戸を作る活動でしょ』で終わっていたことが、もっと深く分かっていただけると嬉しいですね。我々だけでは伝わらないことが、子どもを通して考えるきっかけになってくれれば」と波及効果を期待する。
「焦ることなく、我々の取り組みを少しずつ伝えていくことと、理解していただいたことを他の人に話してもらえることをずっと心がけて活動してきました」。
すでにいくつかの小学校やNPOでは、「お水の教室」のプログラムを用いて授業を行う、というパターンも始まっているという。ボルヴィックの社会活動が、人々の共感を得て、しっかりと情報拡散されているのだ。
《「1L for 10L」に参加する意義…明るい社会を》
今年のキャンペーンでは、3.7億リットルの安全な水を確保することが目標だ。木村氏が「1L for 10L」プログラムに参加する人たちに向けて、その熱い思いを語った。
「マリを取り巻く水問題は決して悲しい話ではなく、みなさんのご協力で井戸を作ることで『明るい社会』ができるということを伝えたいんです。ボルヴィックが少し高くても、私たちのプログラムに共感していただいて購入されたときに、何か気持ちがほっこりして自分自身が変わると思うんです」
日本での1リットルがマリで10リットルの水を生む。500mlのペットボトルだと、5リットル分の水を作ることができる計算だ。「マリで一人が1日の生活に最低限必要とする水の量は20リットル。私たちがペットボトルを2本買うだけで、1日の約半分の水を支援することができます。マリに十分貢献できているのです」と参加する意義を分かりやすく教えてくれた。