片山氏の昇格で、同社の代表取締役は永守氏と創業期からの番頭役の小部(こべ)博志副会長(66)=最高営業責任者(CSO)、それに日本興業銀行(現みずほ銀行)出身で自動車部品メーカー、カルソニックカンセイから平成25年に招いた呉文精(くれ・ぶんせい)副社長(59)の4人になった。
一方、呉副社長の最高執行責任者(COO)が同日付で外れた。昨年6月に小部氏から引き継いだばかりで、通常はCEOに次ぐ企業のナンバー2の役職になるだけに永守氏の有力後継者とみられていた。日本電産広報は「役員同士の担当組み替えの中の人事で、COOを外したこと自体に意味はない」と説明する。
ただ、呉氏と片山氏の差はほぼなくなり、永守氏と創業メンバーの小部氏以外のほとんどが実績次第で後継指名の可能性があるとみられている。
外部の人材活用
片山氏と呉氏に代表されるように、永守氏は数年前から比較的若い人材を経営陣に引き抜いてきた。このため社外を除く取締役10人のうち生え抜きは、永守氏と小部氏、宮部俊彦副社長(57)の3人。佐藤明副社長(60)も日産自動車出身で、ほかに三菱自動車や三菱電機などから招いてきた。