元シャープ・片山氏のライバルは？　日本電産・永守氏の後継レース占う (3/5ページ)

　自動車関連会社の出身者が多いのは、日本電産が主力のパソコン向けモーターに代わる大きな成長分野として、自動車向けモーターを位置づけているからだ。５年後の目標とする売上高２兆円のうち、７千億～１兆円は車載モーターで稼ぐのが目標だ。

　電機メーカー出身の片山氏を招いたのは、日本電産が自動車を含めた「次の産業革命」とみているＩｏＴ関連の事業で稼ぐことを目指しているからだ。自動車や家電に組み込んだモーターをネットにつないでデータ通信を可能にする事業で市場創出を目指しており、その中心にいるのが片山氏だ。

　これまで成長の鍵を握る技術開発の指揮は、永守氏自らが担ってきたが、その重責をネットや通信関連の知識と経験が豊富な片山氏に委ねた。シャープ時代にスマートフォンや電子書籍「ガラパゴス」などのネット関連製品の開発を指揮した片山氏のＣＴＯとしての約半年間について、永守氏は「期待を超える活躍をしてもらっている。代表取締役の資格は十分に得た」と信頼を寄せる。

キーワードがもう一つある。それは「会社愛」だ