東芝の不適切会計問題を調査する第三者委員会(委員長・上田広一元東京高検検事長)が20日に提出した報告書には、経営トップの判断で行われたことが盛り込まれた。次々と明かされる東芝の病巣。直近の社長が問題を招き、経営陣は事態を深刻に受け止めようとしなかった様子がうかがえる。
不適切会計問題を生んだ背景として第三者委は、行き過ぎた「利益至上主義」と上司の意向に逆らうことができない「社内風土」、経営者の適切な会計に対する意識の欠如を指摘した。
東芝は毎月、「カンパニー」と呼ばれる事業部門や子会社のトップが社長に業績の見込みや実績を報告する「社長月例」と呼ばれる報告会を開催している。そこで、経営トップが高い目標を強くせまり、業績不振の事業部門に対して、事業撤退を示唆するケースもあったという。
各事業部門では、実力以上の目標を課せられた結果、次期以降の利益を先取りし、損失や費用の計上を次期に先送りする会計処理が横行するようになったと結論付けた。
また、第三者委は経営トップによる利益の最大化が上司に逆らうことのできない社内風土を醸成したと認定した。社長から事業部門の会計処理の担当者に至るまで、適切な会計処理に対する意識や知識が欠如していたと厳しく指摘した。