信頼回復が最優先
サラ・カサノバ社長は「信頼回復のための活動に取り組むことが最優先」と言い切る。その一歩として、全国のアルバイト全員にネットを使って異物混入の防止策や発生した場合の対応策の研修を実施。また実際の店舗でも、客席からキッチンの様子を見ることができる「オープンキッチン」店舗を埼玉県と大阪府のそれぞれ1店舗で17日から導入した。導入店は順次広げる計画で、さらに第三者機関による店舗の抜き打ち検査なども実施し、まずは、目に見える部分からの信頼回復に取り組んでいる。しかし、品質面での信頼回復が図れても、買いたくなるメニューなど来店の動機になる価値を見いだせなければ、じり貧状態からは抜け出せない。
コンビニエンスストアが全国の店舗網で弁当だけでなく、ドーナツやコーヒーなどの販売も強化し、イートインスペースの導入も広げる中、競争環境はより厳しい。吉野家とマックにとって、価格以外の魅力的な新機軸を打ち出せなければ、足元の苦境を脱するのは簡単でない。根強い支持層を持つ外食チェーンの両雄なだけに、反転攻勢に向けた“次の一手”をファンは心待ちにしている。(今井裕治)