7月24日と8月5日の「土用の丑(うし)の日」を前に、ウナギの価格が上昇している。今漁期(昨年11月~今年10月)の稚魚が不漁だった影響を受けた。ただ、大手スーパーは前年の安価なウナギをすでに調達済みといい、お値打ち価格のかば焼きが店頭に並びそうだ。消費者のうなぎ離れが指摘される中、「夏のスタミナ食」として再び地位を挽回できるか注目される。
稚魚、不漁で高騰
水産庁がまとめた今漁期に養殖池に入ったニホンウナギ稚魚の仕込み量は18.2トン(4月末時点)。資源保護のために自主的に設けた上限(21.6トン)の約84%にとどまった。ウナギの生態は謎が多く、詳しいことは分からないが、海流の影響もあって2、3月に稚魚があまり取れなかったことが理由のようだ。
稚魚の不漁の影響で、取引価格は急上昇している。豊漁だった前漁期の平均価格は、1キロ当たり92万円で、3年ぶりに100万円を下回った。しかし、今漁期は150万~200万円に跳ね上がり、平均価格は前漁期の2倍程度になりそうだという。
稚魚の高騰は、成魚の価格も押し上げる。日本養鰻(ようまん)漁業協同組合連合会(日鰻連、静岡市駿河区)によると、東海地区で1月に1キロ(5、6匹)当たり3000円台前半だった活ウナギの取引価格は、稚魚の不漁が伝わると徐々に値を上げ、6月に入って4000円前後まで上昇した。