□経団連副会長・環境安全委員長 木村康氏
世界全体の温室効果ガスは増加の一途をたどっており、地球温暖化は、人類の生存基盤を揺るがすリスクとして、ますます大きな問題となっている。環境と経済成長を両立させながら、地球規模での温暖化問題の解決を目指し、将来にわたって豊かな生活を享受していくことは、世界人類にとっての共通課題である。
◆京都議定書の反省
1997年に採択された「京都議定書」では、主要排出国である米国や中国が温室効果ガスの削減義務を負わないなど、地球規模での削減に向けた実効性と国際的公平性を欠いていた。
加えて、具体的な対策の裏付けのない「トップダウン」での削減目標の設定であったため、日本の政府および産業界は、マイナス6%目標(2008~12年度の平均で1990年度比6%削減)を達成するため、計4億トンに上る海外クレジット(取引可能な温室効果ガス削減量の証明)の購入を余儀なくされた。
◆実効ある国際枠組みが重要
年末にパリで開催される気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)では、2020年以降の新たな国際枠組みの合意が目指されている。そこで、京都議定書の反省に立ち返り、全ての主要排出国が責任ある形で参加する、公平で実効ある国際枠組みを構築することが極めて重要である。